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<第19回>講師に必要なバランスの判断

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<第19回>講師に必要なバランスの判断

1月10日 京都にて

「講義」にもいろいろなスタイルがあります。顧客企業毎の研修で講師を務めるときもあれば、セミナーなどで講演をするときもあります。私のことをお話しすると、どちらが難しいかと聞かれたら前者です。

セミナーで講演するときは、聞いている人も多種多様で人数も多く、早い話が講師は「持ちネタしゃべりっぱなし」で構いません。と言いますか、それしかできません。ここでは知的な刺激やウケが大事です。私は10年以上前から経営者セミナーなど各地でお話をさせて頂いていますが、まずアガルということはありません。人数が多いほど楽に話せます。

一方、企業研修の講師はそういう訳にはいきません。主催企業の目的(研修の着地点)も明確であり、何より受講者一人ひとりに対する責任の重さが違います。私は研修日の朝、今でも緊張感を覚えるときがあります。とくに受講人数が少ないときほどそう感じます。

去る1月10日と11日、京都で講師を対象とした研修を行いました。企業研修における講義のスキルアップ研修です。1日目のテーマは講師のファシリテーション力です。受講者のディスカッションを活発化させ、視野を広げたり結論に導いたりするスキルです。2日目のテーマは講義力です。講義をする中で受講者とやり取りを行い、気づきを促しながら重要なポイントをわかりやすくレクチャーしていきます。


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弊社の提携先であるホロス・ブレインズ社が主催で、
弊社がプログラムを提供し私が進行とトレーナーを務めました。
参加者はすでに講師資格のあるメンバーで、東京、大阪、京都、長崎から
集まって頂きました。



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講義をデモンストレーションしているホロス・ブレインズ会長の堀井計氏。
基本に忠実ながらも簡潔でインパクトのある講義法が
参加者にとって大変参考になりました。


参加者の「難しいなあ」という声が飛び交った二日間でした。その難しさはバランスの判断にあると思います。講師から注入することと、受講者から引き出すことのバランス。受講者の思考を拡大させることと、限定させることのバランス。テキストの講義と、講師の経験談のバランス。自由度と制御のバランス…。受講者の学びの深さを目的とし、あらゆるバランスをその場の状況で判断しなければなりません。

逆に言えば、その判断が少なくて済むプログラムほど完成度が高いと言ってもいいでしょう。その場合は、複数の講師が同時に研修を行ったとしても、クラスごとの研修品質のバラツキを最小限に抑えることができます。研修の最後に、堀井氏は、「講師の暗黙知(個人個人が持つコツや勘)は、研修プログラムに対するしっかりとした理解によって7、8割は明白知(共有できる具体的な方法)にできる」と語っておられました。

研修プログラムの理解には、<1>研修の中身に対する深い理解(たとえばマーケティング、営業スキルといった中身そのもの)と、<2>学習理論の理解(学習のプロセスと進め方、受講者の心理・習熟度の変化の想定など)があります。まさに準備命と言うことでしょう。

講師の皆さん、今年も素晴らしい講義を期待しています。

鳥居勝幸

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by cicombrains_news | 2012-01-20 18:28 | 鳥居勝幸の研修紀行